ソーシャルミュージック:音楽は社会を変えられるか?忌野清志郎、沢田研二から最新トレンドまで


 

「ソーシャル・ミュージック」は社会に物申す

「ソーシャル・ミュージック」に注目が集まっています。文字通り、社会問題をテーマとしたり、社会への関わりをリスナーに促す音楽のジャンルで、エンタテイメントにとどまらない新しい音楽の形態として注目されています。

このソーシャル・ミュージックのカテゴリーに入りそうなアーティストや楽曲は、実は以前からありました。例えば忌野清志郎さんの「サマータイム・ブルース」。

アーツイ夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い心のサマータイム・ブルース

1988年にリリースされた曲で、その先見性に驚かされますが、東日本大震災での原発事故後、さらに大きな広がりを見せたので、ご存知の方も少なくないかもしれません。

 

「戦争するため 生まれたのではありません」

そして、まだあまり知られていませんが、ジュリー(沢田研二)さんもシャンソンの名曲「脱走兵」を歌い継いでいます。明確な反戦歌ではないかもしれませんが、一度聞けば、その思いはしっかりと伝わってきます。

大統領閣下 僕は嫌です
戦争するため 生まれたのではありません
勇気を出して あえて言います
僕は決めました 逃げ出すことを

 

沢田研二さんは、コンサート会場のロビーで「さようなら原発1000万人署名」を行うなどの活動もしていて、脱原発の歌があることでも有名です。

 

沢田さんは2012年3月、収録4曲がすべて東日本大震災をテーマにしたCD「3月8日の雲~カガヤケイノチ」を発売した。4曲とも、作詞は沢田さん本人だ。

うち、脱原発をテーマにしたのは「F・A・P・P(フクシマ・アトミック・パワー・プラント=福島原発を指す)」で、「バイバイ原発」「へこたれないで福島」などと歌う。力強いリズムの曲だ。
https://www.j-cast.com/2012/04/13128916.html?p=all

 

さらに、沢田研二さんには「我が窮状(憲法9条)」という歌もあって

麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが
忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
英霊の涙に変えて 授かった宝だ
この窮状 救うために 声なき声よ集え
我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ

といった言葉で歌われています。


また、美空ひばりさんも「一本の鉛筆」という作品で、戦争をテーマに歌っています。

 

311以降、ビッグネームも次々とメッセージを発信

2011年3月11日以降、ツイッターなどで社会問題などについて積極的に発信するイベントやミュージシャンは、さらに増え、ソーシャルミュージック、ソーシャルアーティストといったカテゴリーの活動が広まってきました。

脱原発をテーマにしたNO NUKESというライブイベントはその一つです。ASIAN KUNG-FU GENERATION、水曜日のカンパネラ、the HIATUS、BRAHMAN、ACIDMAN等のビッグネームが参集し、ライブの合間にはトークセッションも行われています。

また、毎年秋に開催される中津川 THE SOLAR BUDOKANはコンサートの運営に関わる電力のすべてを、太陽光発電でまかなうなど、その存在自体が大きなメッセージを発しています。

 

音楽で社会を変えるバンド「ZERONOMIX」

そんな流れの中、「社会を変える」こと自体をメッセージの中核に据えたバンドも現れました。「音楽の力で社会が変えられると信じています」というZERONOMIXというバンドで、「すべての電気を変えろ」という曲で、原発を使わない電力への転換を歌ったり、「誰かが作ったシステムじゃなくて 僕らが作った階段をのぼれ」といった歌詞で、リスナーの心に訴えかけるメッセージを伝えています。2018年3月の「さようなら原発集会」でもオープニングアクトをつとめていました。

音楽には人を癒す力、人を動かす力、そして社会を変える力がありそうです。これからもソーシャルミュージックの動きに注目してきたいと思います!(山野かすみ)